前半4分柏のPA手前での仲間の粘りでボール奪取と佐野へのパス。これを佐野がワンタッチで前方の名古へ。名古はワンタッチでボールを前へ置き、ハンドオフでDFを抑えながら、迫るGKの脇を抜くシュート。
いきなり決まったこのゴールでなんだか前節の続きを見ているような安心感。この安心感は選手達の表情にも見え、前半あった数々のチャンスを何度失敗しても笑顔が消えない。「オイッ!笑っている場合じゃないゾ!!」テレビ桟敷で檄を飛ばしても、解説者が、「自分たちの流れの時に追加点を取れないと、後半ガラリと流れが変わる場合がある」などと懸念を表明しても、そのまま前半は終わってしまった。
そして後半、柏は選手を変え、対策を整えて、且つ強風を活かし攻め立ててくる。あっという間に流れは柏に傾き、PA近くでボールを失いながらも柏のドリブラーを呆然と眺め、失点を許してしまった。
その後も、何度ピンチを迎えただろうか。ことごとく決めきれなかった柏FWマテウスサヴィオは我が鹿島アントラーズにとって今日は女神のような存在になっていた。GK早川との1対1の浮き球が行き過ぎてクロスバーを超え、PKは枠外に抜け、最後のGKを抜いたあと(と、いうか早川が風で目測を誤った)のシュートはゴールポストに弾かれた。
後半は柏の勢いに守勢に回る鹿島。足も動かなくなった。選手交代で土居とチャヴリッチを入れて流れを変えようとした途端の失点により柏の出足が更に早くなりセカンドボールを拾われる。
その流れを引き寄せたのは後半30分過ぎに樋口を入れてからだろう(師岡と交代)。右サイドを活性化させ、FKで相手を脅かし、やっと五分五分に持ち込めた感じがした。チャヴリッチが試合後のインタビューであのまま逆転されたら「最悪のシナリオだった」という流れが変わったのだ。
試合はロスタイムに入り、知念だっただろうかボランチの位置から右に張っていたユウマにパス。これをユウマが受けた途端に猛ダッシュするチャヴリッチ。DF陣に囲まれながらも、その前方に送られた浮き球のパスに抜け出て、GKと競り合いながらも一瞬早くボールをつま先で流し込み待望の勝ち越し点をもぎ取ったのだ。
疲労困憊の感のあるユウマを交代させてもいいのではないか、と一瞬思ったときもありましたが、この大仕事をやり遂げるユウマの冷静さと技術と戦うハートをやはり監督は買っているんですね。ユウマとチャヴリッチのホットラインがこれから益々増え、精度も上がっていくことを楽しみにしたいですね。
ps:交代で途中から入ったショーマが勝ち越し後、須貝と交代させられた。悔しいだろうがいまのままのショーマでは出番を失っていくのではないかと思われた。勝利後の周回のとき、ユウマがショーマの肩に腕を回して何か話していた。ユウマらしいやり方なんだろう・・・。