前半40分。安西と札幌田中とのにらみ合いながらの頭突きの後だっただろうか。鹿島陣内でインターセプトしたボールを回しながら最後は関川から左に張っていた師岡へ。これを師岡はダイレクトでPA付近の仲間へ浮き球のパスをし、そのままスルスルと前進。
ボールを受けた仲間は中央のユウマへパスを出し、ユウマはスルスルと入ってきた師岡へのパス。これをダイレクトで裏へ飛び出した名古への浮き球のパスが通り、名古はワントラップのあと低い弾道のシュートを放つがGKに弾かれた。
しかし、その弾かれたボールが再び名古の前へ弾んでくると、その浮いたままのボールを左足のジャンピングボレー! ボールはGKの出した手の上を超えてネットに突き刺さったのだ。
名古の言う通り、みんなで勝ち取った得点ではあるが、名古の裏への飛び出しという飛び道具がまたしても実を結んだ得点になった。
この後も札幌DFがGKへ返したボールをユウマが追うと慌てたGKが前線へフィードしたものの名古の足元に入り、そのままコントロールシュートでの得点が後半間もなく追加され、ほぼ勝利を掌中に収めた感じになったが、この後がなんだか安心の布陣に整いだしたのだ。
チャヴリッチが入り、ガクが入り、樋口が入った(交代は師岡、仲間、名古)。佐野と知念のボランチの安定感を活かしつつ、ガクと樋口をどう生かすか。その辺が楽しみであり、課題かと思っていたがチャヴリッチが最前線、ガクと樋口がMFに入ることでチャヴリッチとガクのホットラインも垣間見えたのだ。
前線でキープするチャヴリッチを追い越してダッシュするガク。その前方へジーコのような正確なパス。これをガクが確保してDFを交わしてから送るマイナスのラストパス。そしてチャヴルッチのシュート! ゴールポストの僅か左にそれたがワクワクしたシーンでもありました。
そのチャヴリッチが87分に魅せた芸術ゴールもまた圧巻でした。CKを蹴る樋口。するするするとニアに歩み寄るチャヴリッチ。そのチャヴリッチの足元にライナーで入ったボールをチャヴリッチは右足一本のワンタッチで後ろのゴール上に突き刺したのだ。
あんなこと出来るの?! いやはや驚きのゴールとともに湧き出るのが「選手が揃ってきたゾ」という思い。鹿島いよいよ整いました。