前半で相手がイエロー2枚で退場。それまで中2日ながら疲労を感じさせない強度で攻守に奮闘し、優位に進めていたアントラーズが11対10の数的優位にたった後半頭から、まったり感満載の手抜き試合になってしまった。
リスクを抑え、ボールを保持し、じっくり攻めていけば勝てる。何となくそう思ってしまったのだろうか。動き出しも闘争心も消えた我が鹿島アントラーズのほっぺたをぶっ叩いたのは敵のオルンガだった。
左サイドから同じようなコースで2度のシュートが2度ともGKの手の届かないファーのゴールポストの僅か内側に食い込むゴール。オルンガの1点目の後に同点に追いつくケントのシュートは珍しくゴール上隅に突き刺さった。今まで何度となくこの位置からミドルシュートを放ってきたケントだが、これほど落ち着いてコースを狙い、その狙い通りに行ったケースは珍しいのではないか。なにはともあれ1-1の同点となったのだが、再びオルンガに入れられた時、ああぁ今日はダメだと思ってしまった。
それをショーマが覆した。ケントのシュートも左サイドの永戸からのクロスをショーマがシュートしたボールが跳ね返ってきたボールだが、2点目となった同点ゴールも左サイドの永戸からのクロス。一歩早くDFの前に出たショーマはこれを右足アウトで少し角度を変えるだけの超美技でゴールポストに当てつつネットに転がした。最近、徐々にプレーの質も強度も上がってきていたショーマだが、ついに本領発揮というところか。
2-2の同点になったものの後半44分を刻んでいるのであればドロー止む無しという感じでもあったが、ロスタイムに入ってから再びショーマがゴールをこじ開けた。気の利いた動きでポイントポイントでボールに絡む荒木からの優しいパスをダイレクトでゴール前に蹴りこんだケント。このボールもケントらしからぬ(ゴメン!)、精度の高いピンポイントでショーマの頭に合ったクロス。
ショーマはDFもGKもあざ笑うかのように軽くパチンと合わせてゴールに流し込んだ。そして1点目では見せなかった歓喜を爆発させての表情でベンチの仲間と抱き合った。ショーマもあんな顔をすることがあるんだ・・・な~んて思ったものでした。
インタビューではチームの一体感を作りたかった、みたいなことを言っていましたね。興奮の中にも冷静な頭の働きがあったということでしょうか。
そして残り時間。荒木が「鹿島る」をキチンとやってくれましたね。このユース出身でもない新卒ルーキーがちゃんと時間を見て、コーナーフラッグの周囲で鹿島る姿を見て、おお伝統は脈々と繋がれている、と感じ取ったのはオレだけではないでしょうね。
ヨッシャー、相手の人数が少なくなる幸運があったとしても最後まで諦めずにゴールを狙い続け、結果を出した今日の逆転勝利もまた新しい鹿島が階段を一段上がったということだろうと思いたい。
1位の背中は既に遠いが、3位までには何とか食い込んで欲しいものです。