いやはや前半の逡巡、判断の遅さ、ファイト(戦う気持ち)の足りなさ・・・ことごとく神戸に押され、いつ決められるかハラハラしていたものだが、後半一気に変わった。
後半、頭からチャヴリッチを入れて反転攻勢かと思いきや、そうでは無い。前半と同じメンバーながら前へ前への動きが出、次々とセカンドボールを拾い、サイドでも優位を保ち始めた。
初めからの方針だったのか、ハーフタイムで喝を入れられたか解説者も分からないと言っていたが、勿論最初からの作戦だ。前半、なんとかしのぎ切り、後半一気に攻勢をかける。チャヴリッチもここぞの場面まで温存し、後半20分の勢いが整ったところで投入だ。
これで前線の基点が2つ出来、強力神戸DFも若干スキを見せ始めたところでスローインからユウマのDF陣の間を抜くロング縦パス。あうんの呼吸で中央から斜め左前方に飛び出した名古はボールを収めるとともにいくつかの選択肢の中から一発を狙ったシュート。
角度のない所だったが、GKの左手に弾かれ転がったところを右から入って来たのが濃野公人だ。GKは体制を崩していて眼前のDFは一人だけ。これを落ち着いてやや右寄りのゴールにぶち込みスタジアムは爆発した。
名古のシュートが弾かれて「ああぁ」とため息が漏れたあとの沸騰なのだ。残りは追加タイムも含めれば15分もある。でも、今日の後半の集中はハンパない。センターバックの二人に加え、途中で奪い取る佐野と知念。
大迫には植田が立ちはだかる。武藤が駆けずり回ったって関川がいる。最後に相手のCKからちょっと危険な場面も見えたが、無事終了のホイッスルだ。
ヨッシャー!首位神戸を下して並んだ。昨年まで大一番で悔しい思いをさせられていたが、今年は違うゾ。名古と仲間の飛び出し、ユウマの俯瞰視野。ワニ植田。佐野と知念の刈り取り、決定力のチャヴリッチ。そして濃野がいる。
インタビューでの濃野はいつものように落ち着いていた。そして監督から前へ行けと云われていたとも言っていた。初々しいと解説者は言っていたが初々しいと同時に冷静に普通に喜びを表せる濃野は結構イイゾ!!