2020年から書こうと思っていた「堕ちていく国、日本」ですが、本日そのテーマの一つであったゴーン事件が動き出したので急遽、筆を執りました。
この「堕ちていく国、日本」は安倍晋三という稀代の愚者が織りなす政治権力のオモチャ化、知人・友人を優遇し、国民への平等、公正という民主主義の根幹であるべきものをないがしろにする人間による国家の劣化を慨嘆し、書いていこうとしたものです。
その手始めは「桜を見る会」や「果てしなき借金大国」「いじめの蔓延する国」などから始まる予定でしたが「ゴーン事件に見える国家の暴力」が反撃の狼煙を挙げられたことから、まずこれに着手して見ることにしました。
「ゴーン事件」はNHKを筆頭としたマスコミ報道を鵜呑みにしている人間にとっては強欲ゴーンが法を犯した、という事になっているかと思います。しかし、素人なりにこの事件をズーと見てきて思うのは明らかな権力(官邸、経産省、司法(特捜)、日産)のゴーン潰しであり、その理由は日産がルノーに合併されるのを防ぐ・・・という1企業に関する権力の介入です。
その為に、キーマンであるゴーンを潰す。最終的に無罪になろうがそれはどうでも良い。まず、社会的に抹殺すること。そしてそれは正しく大成功に終わったように見えたものです。そしてルノーは日産の合併をひとまず休止し、時間をかけて行かざるを得ない状況になっています。
但し、この間、日産の業績はまるで天国から地獄へ落ちている訳ですが、その理由は逮捕・拘束による社会的抹殺から一年以上経ったいまでも「ゴーンの負の遺産」。実際にはゴーン逮捕までの経常利益は約7千億円あったものが、逮捕以降からストンと落ちていまではプラスマイナスのちょぼちょぼの所。ゴーンあっての日産が経営力の無い経営者たちによって奈落に落ちているというところでしょうか(ゴーン事件自体も負に働いているが、それも日産、政府がやった結果)。
今日、そのゴーン氏が国外(レバノン)へ行ったというNHK昼のニュースがありました。その後もこのニュースの続きが報道されています。ゴーンはレバノンにいると名乗り、「私はいまレバノンにいます。もはや私は有罪が前提とされ、差別がまん延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなります。日本の司法制度は、国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視しています。私は正義から逃げたわけではありません。
不公正と政治的迫害から逃れたのです。」と高らかに宣言したのです。
そのうえで、「私は不公正と政治的迫害から逃れました。ようやくメディアと自由にコミュニケーションできるようになりました」と述べました。
特捜と日産が組んだゴーン潰しの真偽の不明な事件の数々。それに乗る大メディアによる「関係者によると・・・」という、特捜、日産の真偽不明情報のリークと拡散。国民の大部分はそれを信じ、ゴーンってヤツはなんて金の亡者なんだろうと普通に世間話をする。
この国を挙げての人権蹂躙に対し、なすすべの無かったゴーンが国内外の人々の助けを借りて、レバノンに脱出した。かりそめかも知れないが自由を得たゴーン氏がフランス、レバノン、そして彼を支援する人々の力を借りてどのような反撃に出るか。そして日本政府は今度はどんな口実を言い出すか・・・。徐々に徐々に特捜の闇が暴かれて、その背景に政府がいることの匂いが気づかれたとき、政府はどのタイミングで逃げ出すか(もう逃げ出して関係ないフリをしているが)。
そもそもゴーン事件と言われるもの(ゴーンが起訴されているもの)はどんな罪なのか。貰ってもいない、保証もされてもいない退職時の予定金額をキチンと金融庁に提出していなかったという罪はそもそも法に触れているのか。そしてそれは西川(前社長)の責任もあった(社長の責任で金融庁へ提出)のに何故彼は起訴もされずのうのうと社長でいられたのか(その後、他の不正が見つかり辞任)。
特別背任と言われる日産の金を自分に還元させたというものは、本当にそうなのか。中東の国の日産の関係者に奨励金として渡す通常のものであり、その奨励金に見合う販売成果を上げたという、当たり前の企業活動と何が違うのか。報道する大メディアは特捜のリークする印象的な情報をあいまいなまま報道しているが、真実は不明なままだ(日産の証言だけで客観的証拠がない)。
この世界のビジネス界を驚愕させた事件は企んだ側の思惑をはるかに超えて、日本の司法の後進性(自白強要)、外国人経営者に対する日本の差別処遇(ここ数年でも日本人の大企業経営者が明らかな違法行為をしていても逮捕された人はいない・・・金の小判の関西電力など捜査もされていない)を世界に知らしめた。今後、有能な外国人経営者が日本で働くことを躊躇うという副作用さえ産んだと云っていいのではないか。
ゴーン氏の脱出を「逃亡」ともいう。国家の威信にかけて捕獲しろという声もある。でも、フランスやレバノンから見たら自国民が日本という国家・国民を挙げての人権無視や迫害から逃れてきたものを返す訳がない(世界の論調もそういうものが多いことを忘れてはいけない)。日本人が北朝鮮で何が犯罪なのか分からないまま拘束されて、やっとのことで逃れて来たのと同じ・・・フランスやレバノンではそう捉えられているという事だろう。
日本って、意外に後進国なんだぁ。国民が思っている以上にその後進性がデータで示されつつある。 国民一人当たりGDP、生産性、女性の社会進出度、平等性、多様性、地球環境悪化に貢献の「化石賞」など・・・ 堕ちていく国、シンゾーの牛耳る国。
ps:いま話題のカジノ収賄事件での秋元衆議院議員の逮捕劇(これもまた特捜だ)。この事件の報道のされ方も異常だ。NHKがしゃかりきになって報道しているが「それって何の罪?」という「関係者によると・・・」報道ばかりだからだ。「中国人のプライベートジェット機に乗った」とか報道しても、それ、何の罪なの?「副大臣になったら講演料が4倍の200万円になった」にしても、それ、何の罪なの? 癒着を印象付けるためだけの報道?情報源はまたもや「関係者」ばかりだ。
本人は無罪を主張するも他の人々は罪を認めているという報道。これも司法取引というゴーン事件と同じ手法が踏襲されているという話もあり、そういう事かぁ と思わされる。この事件の報道で窮地に追いつめられていた筈の「桜を見る会」が脇に追いやられた。野党なども、意図されるままに新しいニンジンを追い始めた。
「桜を見る会」の安倍晋三を直撃する腐敗・隠ぺい・証拠隠滅から、見事に世間の目をそらした特捜。この事件の情報源は官邸・・・な~んてことにならないように。
※収賄容疑の可能性はあると思うが、このタイミングで大々的にNHKを始めとする大メディアが報じていることや内容の小粒さに違和感。