厳しい日程の中で理想的な得点の積み上げで結果的に圧勝した。
そして、その圧勝劇の主人公はアヤセであり、ヤスであった。
今日のヤスのポジションはいつもの右OMFとは違うトップ下。潤滑油と称されるショーマのポジションだ。無論、ショーマとはタイプの違うヤスに同じことを期待している訳ではない。ヤスはヤスなりの特徴を生かし、チームに貢献する。そういうミッションの筈だ。
そのヤスがその通りの働きを見せた。ボール保持者と絶妙のタイミングを計り、ロングボールに飛び出してDF陣を置き去りにする。それがヤスの得意技であり、2016年CWCでも見せた称賛の肝だが、今日、ヤスはその特徴を遺憾なく発揮し、鹿島にとって難しいこのゲームの先制点を取った。
あれは前半15分だっただろうか。セルジからのロングパスにオフサイドぎりぎりで飛び出して胸トラップ。詰めて来るDFを交わして中途半端な位置のGKを確認すると、そのまま左足一閃。得意の巻いたボールはきれいな弧を描いてファー側のサイドネットに吸い込まれのだ。
次はアヤセ。なかなかシュートチャンスを得られず見ている方も少しヤキモキしていたのだが、そのアヤセがセルジのパスに飛び出してGKを誘うかのように先にボールに触った後にGKに倒されてPKをゲットしたのだ。これをセルジが落ち着いて決めて前半で2-0。ほぼ勝利を手中に入れた。
ところがここからアヤセの動きが俄然良くなったようにオレには見えた。後半に入っても後ろからのフィードに良く競って頭に当てるし、前線からの追い回しも行いチームに貢献していたが、とうとう後半28分にはリョウタからのクロスにファーサイドで合わせてゴールをゲットしたのだ。
リョウタはこのアシストの3分前にユキと交代して入ったばかりだが、見事にその存在を見せつけたというところだろうか。ユキも何度かクロスを上げていたがいずれもノーチャンスであったからだ。
そして仕上げ。もう、勝利は十分確信した。あとはクリーンシートを狙うだけと思っていたオレを裏切る形でレアンドロは得点への意気込みを見せ、カウンターで走り前方のヤスへパス。ヤスはドリブルで独走しながらファーサードで要求しながら走るアヤセに一瞥をくれると、左足でふんわりのボールを送った。
このボールの落下点はゴール右ポストのすぐ手前。そしてその落下点に誰よりも高くジャンプしていたのはアヤセ。ガツンを頭を振ると0.2秒でポストに掠りながらゴールネットを揺らしたのだ。
おおぉー、新人のなんと恐ろしいことよ。もういいヨと思うベンチやサポの保守的思考なんか関係ない。ここは一発、ガツンと行くゼ!!そんなゴールがアウェイサポ席を沸騰させた。
インタビューでアヤセは言った。得点の1点目も2点目もほとんど上げてくれた人の得点です。ボクは最後にちょっと触っただけ。何よりもチームが勝つことが一番うれしいです。キチンと教育を受けての受け答えとは思うが、ヨッシャー!それでヨシ!!
勝手にテレビに吼えているオレなのであった。