アツトの最期のゲーム。ゲームの展開次第ではあるが、残り10分位で顔見世の出場がせいぜいか。と思っていたら右SBの広瀬にアクシデント(ハムストリングスの肉離れか?)で、前半16分から出場。果たして最後まで持つのか?
そんな不安を抱きながら見ていたが、徐々に徐々にアツトらしさが出て終盤には攻撃のほとんどがアツト経由という黄色のキャプテンマークが光を放つプレーが続いた。タイミングの良い飛び出しでスペースへのパスを受け、相手を軽くいなして上げるクロスの精度や積極性。
残り時間の無くなる間際までその姿勢を崩さず、そして最後の最後に大仕事を成し遂げた。ワンが最後尾で受けたボールを素早くアツトへ。その間にスルスルスルとワンは上がっていく。
一方、アツトのロングクロスは前線で張るアヤセの頭へ。アヤセはDFと競り合い、ボールをイーブンの形で落とさせ、それをショーマが杉岡へ頭で戻す。一瞬の間を詰める気の利いたプレーだ。これを杉岡がワンタッチで前方の荒木へ。
荒木がこれを体をひねりながら素早く絶妙のクロス。GKの出られないややファーサイドに意思を持って上がったボールを飛び込みざまガツンと頭でボールを叩いたのはワン。アツトにボールを預けたあと、そのままスルスルスルと上がって前線にたどり着いた時、荒木からのボールがドンピシャで来たのだ。
ガツンと頭で叩かれたボールはこれまた意思を持ったまま、ゴールポストの内側に当たりながらネットを揺らした。おおぉ、なんということだろう。試合終了間際の同点ゴール。もっと早く点を取ってくれといいたいが、神戸戦といい、今回の試合といい、最後の最後まで攻め続け仕留めるという我が鹿島アントラーズのDNAらしきものが復活しつつあることを一方で感じる。
まだまだこんなもんで納得は出来ない。でも、どん底から徐々に這い上がり、少しは見られるようになったアントラーズらしさ。今日の立役者はまぎれも無くアツトだが、そのアツトはこの日がピッチに立つ最後だ。
この試合で見せたアツトの思いや技術、機転・・・同じピッチに立ち、それを感じ取った選手達がそれを是非引き継いで欲しいと思ったものでした。
ps:アツトのプレーを見て、誰もがまだまだやれる・・・どころか、いま鹿島に必要な選手と思ったのではないでしょうか。でも、冷静に考えるとハードな試合が続くといつまた膝のケガが悪化するか分からない。「自分が許せない」とインタビューで言った万全にならない体のもどかしさを繰り返す確率が高いのであえば、アツトの次のステージに期待しよう。